春ホルモンについての妄想

 2月に入ったころからか温室内のカメたちの動きが活発になってきている気がします。以前は土に潜っていることも多かったのですが、最近は地表に出てきてよく動き回っています。

 最近の気温の上昇のせい?いやあ、それより前からだし、うちの温室は一定温度に設定しているので、暖房器具のON/OFFの時間の長さは変わっているかもしれませんが、温度自体はあまり変化ないはず。



 クーリング後に人為的に温度を上げることにより、うちの場合ニシキハコガメのいわば季節外れの産卵を意図的に誘発しています。産卵にはこの温度の上げ下げが大きな条件だと思います。しかし、それだけではない気がするのです。

 自然のサイクルの中ではカメたちは状態や環境さえ良ければ暖かくなってから自然に産卵します。それが今では、冬の加温飼育で、温度だけはその繁殖期の温度に近づけられるようになっています。しかし、温度だけ合わせたとしても、すべてのカメ(主にニシキハコガメを念頭に置いていますが)がこたえ応じるわけではないのです。もちろん個体の状態の良し悪しや与える餌なども関係してくるのですが、それでも加温飼育しているカメたちの様子を数か月観察していると、温度以外の別の要因も大きく関係しているのではないか、と思えるのです。


 で、ここ数年気になっているのが、“春ホルモン”



春の長日条件になると脳下垂体隆起葉から『春ホルモン』として甲状腺刺激ホルモンが分泌され、これが引き金となって生殖腺の発達が促される」。

(出典 http://www.cdb.riken.jp/jp/04_news/articles/080326_spring_comes.html



 上の研究はウズラを使ったもののようですが、その後哺乳類のマウスでもこのホルモンが働いていることがわかっています。しかも春をもたらすのはただ単に日中の時間を長くすればいいというものではなく、「明け方の光」
(出典 http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2010/101203/detail.html


 爬虫類で、しかもカメでこの春ホルモンが働いているのかどうか、研究の結果を待たなければならないようですが、たぶん爬虫類のカメにも存在するのではないかと個人的には感じています。もちろん科学的な根拠など何もありません。行動を観察していて、そう感じるだけです。

 この春ホルモンがカメにも存在していると仮定して、クーリングから加温飼育し、かつ、明け方の光を人工的にでも再現してやることができるのなら、もっと容易に繁殖させられるかもしれない、と思うのです。



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 《最近特に活発になってきているニシキハコガメ2011CB。温度以外の何かの要因がそうさせているのだろうか》


 成体幼体に関わらず、2月に入ったころからかカメたちの動きが活発になってくる様子を毎年見るたびに、人間がえらそうに温度を管理して人工的にカメの活動期・繁殖期を作り出しているけれども、こいつらは本当は今の季節が冬だと知っており、春が来るのにも気づいている、と感じていました。それは...たぶん...太陽のせい。

 あったかいけどなんかヘン。でも、甲斐甲斐しく世話してくれるから、しょうがない、卵を産んであげましょうね!と言ったとか言わないとか...



 一飼育者による春ホルモンについての妄想でした。

コメント

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産卵時に、月や潮の満ち引きが関係したり地震の前兆が分かったり・・・。
野生の生物は人間が感じない自然を感じますよね。
野生のハコガメを冬に暖めても活動しなかったり
体調を崩したりすることがあるのも体が季節を感じているのでしょうね。

Re:

ほんと人間よりちっこいけど賢いと思います。
温めても活動しないってのは、今年のスジコDがそうでしたし、導入したばかりの頃のスジコAも。。

もう今年は無理ですが、この明け方の光、実験してみたいものです。
うちの場合仕事柄朝が若干ゆっくりなので、タイマーが必要ですね。