ぶりくら市2012レポート (初出展者の視点から)

 あのぶりくら市からはや一週間が経ってしまいました。
 ぶりくら市・・・客として行ったこともないのに、いきなり出展者側に回りました。たぶん出展を重ねるうちに慣れてきて、そんなに感動が起きなくなるでしょうから、初出品で感じたことなど、最初で最後の記録として残しておきます。たぶんこんな視点の記事、あまりないでしょうし、もし今後初めて出展を計画なさる方がいらっしゃるなら、参考になればよいと思い、恥を忍んで書きます。

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 今回は九州新幹線と山陽新幹線を乗り継いで神戸まで行くことにしました。そして私が他のブースを見て回るためにも、誰か一緒の方がよいと考え、私のカメ趣味にまったくタッチしたことのない妻を店番として連れていくことにしました。それゆえ必然的に、ぶりくら以外に、妻のために神戸プチ観光も組み込むことになりましたけど。二人分の旅費を、宿泊も確保しつついかに安くするか。妻がネットで調べ、阪急交通社の「のぞみでGO!」というホテル1泊付きプランを利用することにしました。なんと二人で5万円かかりませんでした。

 ぶりくら初出展の日程は、かなり強行なものでした。土曜日に出発するのに、午前中は中三の模試の監督、午後2時過ぎの新幹線に乗って夕刻神戸入り。その晩は、兵庫県のとある市に住んでいる友人が快く泊めてくださることになり、カメもろともお邪魔しました。その晩楽しいひと時を過ごして、翌日はぶりくら。ぶりくら終了後は、神戸の街へ出て徒歩観光と食事。翌月曜日は午前中モザイク周辺を観光し、午後の新幹線で帰宅。帰宅したら休めるかというと、中三の授業。
 まさに日を跨いだ仕事と仕事の合間に、できるだけ多くの神戸滞在の時間を確保するというものでした。

 ぶりくら当日、ぶりくら会場には集合目安時間より20分ほど遅れて到着。すでに多くのブースで設営が始まっていました。出展者受付を済ませ、私の予定ブースの場所に出向くと、両隣りのブースはすでにテーブルクロスを掛け、結構生体が並べてあったりします。テーブルクロス忘れた!と最初に思いました。というよりまったく頭の中にそのことがありませんでした。どの生体を持って行くか、どんな容器に入れて見せるか、値段の表示をどうするか、どうやって会場まで安全に運ぶかだけに集中しており、テーブルクロスのことなんかまったく考えていませんでした。(実際必須ではなかったんですが、全然見栄えが違う気がします)。華やかなブースが並ぶ中に、質素な、別のことばで言えば、しょぼいブースがあるという感じです。こんなとこあえて立ち寄りたくないですよね。

 あと、あった方が良かったのが、バケツ。汚水をためたり、きれいな水をためたりするためのものです。私が持って来た物で水を入れる物といえば、展示用の、ちょうどの数の容器のみ。事前の情報でペットボトルに入れた温水を持参してはいたのですが、それを無駄にせずどうやって適温の水を作りカメを展示していくか、汚水はどこにためておくかなど最初から知恵を働かせるべく頭の中は高速回転。もう困り果てそうになろうかという時にちょうど助け舟。容器に入れた温水を分けてくださるご親切な出展者の方がいらっしゃいました。本当にありがとうございました。ぶりくら初参戦で奮闘する中で、私自身が温水のごとく温かい気持ちにさせられました。とてもうれしかったです。
 妻は食料の買い出しなどで私よりやや遅れて会場に到着する予定でした。それで私独りでいるときには、水換えに行きたくても、生体をその場に広げたまま残していくのはよくないと思い、私はブースを離れられなくなりました。最初から二人で会場に入っていれば良かったと思います。そして妻が到着してからやっと展示が進み始めました。また、その最中に、同じ出展者の方が近づいて来られ、話がトントンとまとまり、ある種をすべてご購入いただくことになりました。それでその分に使う予定だった容器を汚水入れにまわすことができました。
 この準備の間、妻はカメのことは分からなくとも、水汲みや水捨てに奔走したり、販売の書類などを準備したりして手伝ってくれました。非常に助かりました。これを初参加でしかも一人でやると勝手が分からずパニックになるでしょう。そうじゃなくても開場まで時間があまりないということでかなり焦っていましたから。

 容器に適温の水を張ってカメを入れると、カメの体内から出るべきものが出てきて、水が汚れます。すると見ばえを考えると、今入れたばかりの水を換えたくなります。また、あるカメを持ち運ぶのに緩衝材としてミズゴケを入れて持って来ていました。ミズゴケの破片が生体に付着しており、それでまた水が汚れます。前述のように汚水をどうするかなどで困っていた時には、さすがに自分が情けなく感じられました。もっと深く考えておけばよかったと。
 そんなこんなで時間があっという間に経って、開場時間が迫ってきてもまだ展示作業をやらざるを得ませんでした。外では来場者の方々が列を作って、今か今かと会場を待っておられるようですが、彼らが見ているかどうかなんてもう全然気にも留めていられません。とにかく必死。実際、ある来場者の方に、kasimiroさん、遅刻しましたね、と言われてしまいました。

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《私が撮った写真はこれだけ。オーストラリアナガクビCB。うちもいつか繁殖させたいな。TEAMヨシオカさんのブースにて》

 開場と共に一人二人とブースに近づいていらっしゃいます。そしてすぐに人の波が。初めてのぶりくらですので以前のそれと比較できませんが、確かにずっとブースにいなければならないほどでした。1929人の入場者数。トイレに行きたくても、その隙を見出すのがなかなか困難なほどでした。妻に店番を任せて、他のブースをゆっくり見て回る?できないできない。私のブースの場合、ドーッといらっしゃるわけではないんだけれども、会話を交わすお客さんが結構いらっしゃったので、他のブースを見て回るのは、少し暇になったと思ったとき、隙を見て少しずつ、しかもザーッと速歩でという感じでした。見て来てイイヨ、店番してるから、と妻に言われて出かけても、そのうち呼び出しの電話が。ゆえにぶりくらの写真はほとんど撮れませんでした。

 それでも両隣りのブースはひっきりなしにお客さんがやってきて、並べてある生体の数がどんどん減って行きます。明らかに集まってくる人の数がうちより多いのです。特に片方のブースでは終了時間までまだ随分間があるのに、残っている生体は1個体のみ。凄過ぎます。うちの場合、店番でブースを離れにくいけれども、忙しいほど売れたのは最初の1時間ほどと最後の1時間ほどだけでした。

 それでも、多くの方と直にお会いでき、おしゃべりできたのはうれしいことでした。ブログ見ているよと言ってくださる方も多く、今までのできるだけ飼育情報を公開して行くという路線も間違っていなかったかなと改めて思いました。ニシキハコ大好きな方々とも直に知り合い、その中でも複数ペアお持ちで、繁殖も成功されている方も名乗り出てくださいました(ぜひブログか何かで公開してください!)。また、プロの漫画家さんにもお声をかけていただき、失礼ながらちょうど用紙がなく、動物販売時説明書の裏にお名前と漫画を描いていただきました。


 ニシキハコガメは売るよりも育てたいという気持ちがあったため、高めの価格設定。そして終了時間が近づいても、あえて値下げをしなかったため、安めに設定していた1匹を除いてすべて持ち帰りました。今現在移動の影響もなく、すくすくと成長しています。


 終了時間になるとみなさん意外にさっさと撤収。名札を受付に返却しただけであとは自由解散という感じ。なにかもっとあるのかと思っていましたので拍子抜けしました。


 このぶりくら出展、初めてだったので特にそうだったのでしょうが、とにかく疲れました。終了後は虚脱感が体にまとわりついている感じ。でもやはり楽しかったですよ。終わって神戸をあとにする頃には来年も来たいねと言っていますもん。



ぶりくら2012レポート (アシスタント視点から)

 下記の引用は、ぶりくらの後、妻が友人に送っていたメールです。店番は非常に興味深かったようです。
 カメに全く関心がない人が店番したらこんなふうに感じるんだ、という別視点での観察が面白かったので載せます。

私、初体験の妻目線で、レポートします。

夫は出店は初めてでだいぶ緊張していました。
私自身は元来、あまり生き物の世話が好きではなく、亀も普段から全く無関心です。エサをやった事すらなく、出品した亀の名前すら知らないという情けないアシスタントです。
ついて行ったのは、ただ憧れの「神戸」に行けるよ!という事、旅行や非日常の体験が好きという理由からです。
前日になって、隣の店がヘビ、反対の隣がトカゲモドキと聞いた時は後悔しましたが、あー、時既に遅し。

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初めは、夫がトイレに行ってる間だけの店番と言われてましたが、始まる前から入り口には行列…、とにかく人が多く、ほとんど途切れる事なくお客さんがいらっしゃるので驚きました。(一番の役目は夫が関心のあるお客さんと話し込んでいる間、盗まれないよう見張っている事でした)。人が多くて隣のヘビさまたちは目に入りませんでした。とりあえず、領収書きったり、亀のパッキング、水替え…できる事は一生懸命手伝いました…。
目標の新幹線代プラスαをクリア、大体夫の予想通りに売れました。私にはお店やさんごっこみたいな感じで、人間ウォッチングも興味深い体験でした。

中でも、以前ネットで亀を買ってくださった方や、ブログだけを通してペンネームで知ってる方が名乗り出てくださって、初めて顔を会わせて挨拶したり、夫に対して、「イメージより若かった」とか、「もっとマニアックな人かと思ったら紳士でいらっしゃる」と言われてホッとしたり。

入場するだけでもお金がいるとあって、お客さんは全て亀もしくは爬虫類大好き。
私と大違いで、大人も子どもも、目を輝かせて一生懸命亀を見入ったり、私の全くわからない専門用語が夫とお客さんの間で飛びかい、感心するばかりの一種独特の雰囲気でしたね~



 家庭円満が一番です。家族が爬虫類に無理解・無関心で、肩身の狭い思いをしている飼育者・ブリーダーの方も多いかもしれません。そんなとき家族を巻き込んで出展してみるのも面白いかもです。家族を協力者にしていくことができるかもしれません。私もここまで来るのに長い時間かかっていますけど。

 私の真後ろのブースでは、赤ちゃん連れの家族が出展なさっていました。

 また、家族総出で出展なさったブリーダーさんの経験も聞きました。

 でも、・・・売上をすべて奥様に持って行かれてしまったようで・・・(涙)


告知 -種子島産ニホンイシガメ-

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≪♀個体たち≫

 このたび我が家の種子島産ニホンイシガメ親個体たちすべて、同じく産地にこだわって飼育してくださっているブリーダーさんに譲りました。


 これまで当方でも、二つの産地の個体を分けて飼育していました。それは種子島産ニホンイシガメと地元産球磨川水系ニホンイシガメです。種子島産は池で飼育し、種子島産同士でしか交配しないようにしてきました。そのしわ寄せで、地元産には池のような十分な水場を準備してやれなくて申し訳なく思っていました。

 実はここ数年毎年、ちょうど冬眠前のこの時期に、産地別の飼育に関して悩んできました。どちらも屋外で冬眠をさせていましたが、十分な広さの水場という点で、地元産にはよりリスクの高い冬眠を強いてきた感があります。それでも毎年無事に冬眠できていたんですけど。

 それでついに今年は決断しました。このまま産地別飼育を継続するかしないか、また、もし継続しない場合、種子島産と地元産、どちらを選ぶかを。



 結論は

 産地別飼育を継続しない、そして地元産を飼育し、種子島産を手放す、と。



 種子島産は非常に貴重な個体たちなのですが、どうしても地元産の飼育を断念することができませんでした。大人になってからのカメ飼育の原点が地元産のニホンイシガメですし、1年に1度程度ではありますがカメ捕りをしているため、地元産飼育をやめる気にはどうしてもならなかったのです。熊本の自然豊かな環境を満喫させてもらっているので、今後は自分も何か恩返ししたいと思っています。


 種子島産ニホンイシガメの譲渡先は、関東在住のブリーダー「デメキンハウス」さんです。ニホンイシガメとセマルハコガメを専門に繁殖させておられます。このブリーダーさんは、これまで飼育してこられた三重県産ニホンイシガメと、今回譲渡した種子島産ニホンイシガメは、別飼育すると明言しておられます。来年以降種子島産ニホンイシガメのCBをお望みの方は、ぜひ「デメキンハウス」さんにお尋ねください。カメ好き・子ども好きのとても優しい方です。


 なお、種子島産種親の2012CBおよび2011CBはまだ当方の手元に残しています。冬期の販売は致しませんが、飼育したいと思われる方は来春以降お問い合わせいただければ個体をご紹介いたします。


 今現在我が家には種子島産種親はすでにおらず、いいようのない寂しさを感じています。特に上の写真の左の個体は、毎年1,2度わざわざブロックの穴に産卵していた個体です。毎年ひそかに期待していました。今後その様子さえも見られなくなるのは残念です。


新たな♂導入

 ニシキハコガメ自体が高騰する中、ニシキハコガメの♂を1週間ほど前に新たに導入してしまいました。ぶりくら前から気になっていた個体で、スジオB亡き今、将来の種雄にする予定です。まだ性成熟していません。

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 かなり黄色の放射模様が太く、販売されていた時のHPの画像やその後送ってもらった画像よりも実物の方がはるかに美しい個体でした。これは予想外でした。自画自賛になってしまいますが、梱包を開けてカメを見た瞬間、その美しさに一瞬クラッとしましたもん(笑)。

 この個体は国内飼いこみのWCだそうです。

 背甲に過去に瀕死の傷を負った痕跡が大きく残っています。お前、この傷でよく生きていたなと言えるような、たぶん死んでもおかしくなかったであろう傷です。もちろん今は癒えています。
 この傷、気にならない? はい。 店ではこの傷のゆえに最後まで残っていました。多少見栄えに影響するでしょうが、繁殖に全く影響ないです。それよりもこの太い放射模様が遺伝したらいいですよね。

 来年は無理かな?再来年あたりには繁殖に使えるでしょう。



 背甲長10cm、体重225g。 

2012ニシキハコガメ繁殖総括

 ニシキハコガメ2012CB、ぶりくらから帰ってからまた少し大きくなりました。

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 結局今年生まれの幼体はこの5匹のみ。9月に産んだ卵はすべて途中で発生停止。いいところまで育っていたのもいたんですが、なぜか孵化にまで至りませんでした。孵化に至るまではいくつもハードルがあって、ほんとよく分かりません。来年出直します。

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 配合飼料を食べるんで飼育し易いです。左の甲ずれ個体が一番よく食べます。ただ、このサイズの頃、一番成長の良い個体が急にコロッと行く場合があるのでまだ油断は禁物です。ニシキの幼体が弱いという意味ではなく、1番手がなぜか死ぬ。そして2番手、3番手がうまく成長する。


 この冬はすべての♀を冬眠させる予定ですので、冬場の産卵はありません。クールインキュベータも来年までお休みです。



《2012年ニシキハコガメの産卵状況(最終状況)》

◆総産卵数34個

内訳

 孵化(5個)

 無精卵(12個)
 発生停止(9個)
 破損(2個)
 孵卵失敗(6個)



 いやあ効率悪いですねえ。改善したいです。




Ornate Box Turtle (Terrapene ornata)

配合飼料にも餌付く

 新たに導入したニシキハコガメ飼い込みWC♂。うちに来てから専ら昆虫を食べさせていましたが、配合飼料も食べるということだったので、カメプロスを試してみたところ、食いました。こりゃ飼育が楽だ。

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 本当は冬眠させたかったんですが、個体の状態が分からないうちにどうかなと思ったので、温室で管理しています。キープのための容器が狭くて申し訳ないんですが。

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 ただ最近、まだ餌を食いますが、目が腫れぼったくなってきました。もしかしたらやがて白いヨーグルト状またはチーズ状のものがまぶたの下にたまって、目が開かなくなってくるかもしれません。それと同時に餌も食べずに不活発になってしまう。そうなると飼育者はひたすら心配しまくる・・・ってことが過去に何度かありました。
 この個体、やっぱり冬を感じてますね。加温飼育しても冬眠っぽい状態、しばらく1か月かそれ以上ひたすら寝る状態に入ってしまうかもしれません。