氷点下6.7度

 昨日(2月2日)は昼間から雪が激しく舞い、車を運転していると前方道奥が真っ白で、ここらではなかなか見られない光景を体験できました。当然日中の気温も上がらず、昨晩10時には車内の外気温計がすでに氷点下3度を指していました。そんな状態でしたので、今朝(3日)の冷え込みはある程度予想していたのですが、気象台によると熊本市内で氷点下6.7度まで下がったそうです。ちなみに阿蘇山上は氷点下13.8度。熊本は“暖かいはず”の九州にあるんですが、その中でも特に寒いんです。夕方のTV番組で、この気温は長野あたりと同じとか何とかと言っていました。


 オーストラリアナガクビの飼育タブは、昨年はよしずを被せていたのですが、今年はいたってシンプルに覆っているだけ。蛍光灯の笠を再利用してます。
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 水面が凍っていました。カメはもちろん動きません。このロンギたち、昨日までは生きているのを確認しています。 少しくらい気温が氷点下になったとしても、この場所はめったに凍りません。それだけ寒さが厳しかったんでしょう。
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 軽くたたけば割れる程度。ノギスで計測すると厚さは3~5mm程度でした。 
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 もう一つのタブ、こちらはまったく上部を覆っていません。こちらの方が固く凍っていました。より力を入れてたたかないと氷は割れません。5mmを越える厚さでした。
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 薄手のもので覆うだけでこんなに凍り方に違いがあるとは驚きです。



 それにしてもこの「水」、よくできていますね。

 水の場合、水温が約4度の時が一番重く(密度が大きく)なります。そして4度から氷点に近づくにつれ軽くなります。これは他の液体には見られない特徴です。
 なぜこれが大切なのか? 水が他の液体のように温度が下がるほど重くなるのであれば、氷は水底にどんどん溜まり、ついには池がすべて氷で埋め尽くされてしまい、魚もカメも生きていけないかもしれません。
 しかし実際は、氷は水より軽く、水に浮かびます。これによって確かに水面は凍るかもしれませんが、その下の水は氷よりも温度が高いので、魚やカメは水底で凍らずに生きていけます。
 普段当たり前と思っているところにも、自然の驚異ってあるんですね。液体の「水」が存在するって素晴らしい。




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2012 ニシキハコガメ産卵 第一号

 ニシキハコガメ・スジコCの産卵。今回は立ち会えませんでした。

 2月6日夜、掘り出したところ。
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 今回は触診で卵に何とか触れることはできるものの、腹腔いっぱいになることがありませんでした。そのため時には卵に触れられず、予想より早く産んでしまったと勘違いして、産卵床をくまなく掘って探したことが一度ありました。そのため産卵床の水分不足に気づくことはできたんですが。また、一日一回は触診するためスジコCがかなり嫌がりました。産卵を確信したのは、皆さんやっておられる方法、つまり体重の減少があったからです。



 孵卵温度は26度に設定しました。♂を狙ってみます。





 2月8日朝、すべてが白濁しました。(画像全体の明るさをかなり落とし、白濁を見易くしています) 
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(#1) 34.7×23.3   (#3) 35.4×22.8   (#2) 32.8×23.8



Ornate Box Turtle (Terrapene ornata)

保温中と冬眠中

 保温中のニシキハコガメ・スジコD。腹甲板剥離から回復した個体です。昨年まで2年間連続で産卵していますが、1年目は1個だけ発生したもののすぐにダメになり、2年目はすべて無精卵でした。また、♂を受け入れているのを今までのところ全然見たことがありません。

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 現在は保温中とはいえ、本当は冬眠させる予定でした。ですが最後までなかなか寝てくれなくて、鼻水を見た日にはそのままにしておけませんでした。昨年も断念しています。

 しかし、しかし、保温飼育に切り替えた後は・・・餌も食べずにひたすら1か月ほど土に潜り続けていました。時折掘り出しても目ヤニを溜めまくって目も開かない状態でした。そしてすぐまた潜って行くし。  (死なないヨ。放っておくのが一番。寝たいだけ寝せればよし)

 そして今がこれ。
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 ある時から自分で起き出してきて、間もなく餌にかぶりつくようになりました。今は完全に目覚めて活動しています。毎年1クラッチずつ生んでいるので、今年こそは有精卵を期待するところです。




 一方の冬眠組。 

 うちの冬眠箱は90cmガラス水槽を流用。下面と側面に断熱材を張り、中身は土の層の上に落ち葉を水槽の縁くらいまで入れています。そして一応バーベキュー用の網を上に乗せています。夏はこれが産卵床を兼ねます。


 落ち葉を除けてみると・・・・土の層の上の方にスジオAが寝ていました。
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 ほかのオスたちは見つからなかったので、かなり底の方まで潜っていると考えられます。


 同じく比較的上の方に、何年CBだっけ、記憶が・・・・そうそう2009CBが寝ていました。もちろん生きています。
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 そして一番確認したかったスジコB、2年前卵詰まりで開腹手術した個体ですが、まさにその年からやむなく冬眠させた個体です。手術の翌年(つまり昨年)無事産卵し(冷汗ものでした)、孵化まで至りました。
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 土の層の中層でこちらも無事休んでいました。


 もうニシキハコガメの温室収容数は限界に近づいているので、暖かくなるまで冬眠がんばってください。







Ornate Box Turtle (Terrapene ornata)

春ホルモンについての妄想

 2月に入ったころからか温室内のカメたちの動きが活発になってきている気がします。以前は土に潜っていることも多かったのですが、最近は地表に出てきてよく動き回っています。

 最近の気温の上昇のせい?いやあ、それより前からだし、うちの温室は一定温度に設定しているので、暖房器具のON/OFFの時間の長さは変わっているかもしれませんが、温度自体はあまり変化ないはず。



 クーリング後に人為的に温度を上げることにより、うちの場合ニシキハコガメのいわば季節外れの産卵を意図的に誘発しています。産卵にはこの温度の上げ下げが大きな条件だと思います。しかし、それだけではない気がするのです。

 自然のサイクルの中ではカメたちは状態や環境さえ良ければ暖かくなってから自然に産卵します。それが今では、冬の加温飼育で、温度だけはその繁殖期の温度に近づけられるようになっています。しかし、温度だけ合わせたとしても、すべてのカメ(主にニシキハコガメを念頭に置いていますが)がこたえ応じるわけではないのです。もちろん個体の状態の良し悪しや与える餌なども関係してくるのですが、それでも加温飼育しているカメたちの様子を数か月観察していると、温度以外の別の要因も大きく関係しているのではないか、と思えるのです。


 で、ここ数年気になっているのが、“春ホルモン”



春の長日条件になると脳下垂体隆起葉から『春ホルモン』として甲状腺刺激ホルモンが分泌され、これが引き金となって生殖腺の発達が促される」。

(出典 http://www.cdb.riken.jp/jp/04_news/articles/080326_spring_comes.html



 上の研究はウズラを使ったもののようですが、その後哺乳類のマウスでもこのホルモンが働いていることがわかっています。しかも春をもたらすのはただ単に日中の時間を長くすればいいというものではなく、「明け方の光」
(出典 http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2010/101203/detail.html


 爬虫類で、しかもカメでこの春ホルモンが働いているのかどうか、研究の結果を待たなければならないようですが、たぶん爬虫類のカメにも存在するのではないかと個人的には感じています。もちろん科学的な根拠など何もありません。行動を観察していて、そう感じるだけです。

 この春ホルモンがカメにも存在していると仮定して、クーリングから加温飼育し、かつ、明け方の光を人工的にでも再現してやることができるのなら、もっと容易に繁殖させられるかもしれない、と思うのです。



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 《最近特に活発になってきているニシキハコガメ2011CB。温度以外の何かの要因がそうさせているのだろうか》


 成体幼体に関わらず、2月に入ったころからかカメたちの動きが活発になってくる様子を毎年見るたびに、人間がえらそうに温度を管理して人工的にカメの活動期・繁殖期を作り出しているけれども、こいつらは本当は今の季節が冬だと知っており、春が来るのにも気づいている、と感じていました。それは...たぶん...太陽のせい。

 あったかいけどなんかヘン。でも、甲斐甲斐しく世話してくれるから、しょうがない、卵を産んであげましょうね!と言ったとか言わないとか...



 一飼育者による春ホルモンについての妄想でした。

うるう年と動物取扱業登録更新

 うるう年で今年は29日まであります。こんな日に記事を書けるなんて、特に理由はありませんが何か嬉しいです。

 動物取扱業登録の満了日が近づいていましたので、うるう年の2月29日に更新に行ってきました。5年前の登録時から特に変更はなかったので、持って行ったのは動物取扱業登録更新申請書と更新手数料の15,500円のみ。申請書も書き方が分からない欄は空白にして持って行き、動物愛護センターで職員の方に親切に教えてもらいながら埋めていきました。更新手続きは30分ほどで無事完了しました。これで今後5年間、また繁殖したカメをお譲りできます。

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 たぶん譲渡先を探している子犬。ひと際かわいらしさが目立っていました。

 職員の皆さん一同、殺処分ゼロを目指して奮闘していらっしゃると聞いています。