植物を食べるニシキハコガメ

 この1週間どうも熊本の気候はおかしい気がします。晴れることもありますが、曇り空が多く、毎日のように突然雨が降る。こんな気候は初めて。でもカメたちはすこぶる元気です。

  ホテイアオイを食べるニシキハコガメ・スジコD。
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 ハイビスカスの花の緑の部分を食べるスジオC。
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卵を産まない日々

 このところ調子が良くないニシキハコガメ・スジコBが抱卵しています。調子が良くないといっても、産卵前は拒食したりして調子悪く見えることが多いスジコB。しかし最近はずっと餌を食べていません。
 しかも、卵はすでに尻尾のほうに下りてきており、卵の長径が産み出す方向とは直角になっているとも思える感触。もしかしたら全体的に卵が大きいのかもしれません。お腹の中に卵はたくさんはなく、たぶんその1個だけ。何はともあれ無事に産んでくれるよう願っていたのですが・・・。


 
 おととい(一日目)。夕方、土が色が変わって見えます。掘り出された土だからです。いよいよ産卵が始まりました。スジコBの姿は見えませんが、この場所の真下にいます。
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 夜も更けて産卵しています。
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 翌朝、期待と不安の入り混じった気持ちで飼育場へ行きました。、

 しかし、

 地中に卵はありません。まだ体内に残っていました。

 しかし産卵の穴はしっかりと作られていました。丁寧に後足で穴の土壁を固めた感触が感じられました。また水槽の底の方まで穴は達していました。


 そして昨晩(二日目)。今度は前日掘った場所の隣り、水槽の向かって右奥に潜り込んでいました。
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 しかし、夜も更ける頃、スジコBは地上に這い出ていました。
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 今朝確認してみると、やはり卵を産んでいませんでした。今回の穴のつくりはしっかりしていませんでした。水入れに浸かり飲水するスジコB。
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 そして今日の夕方(三日目)、今度は水槽の手前側右に潜り込む途中のスジコBを発見。

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 夜10時ごろの様子。この場所の真下にスジコBが潜っています。

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 夜11時45分、様子を見に行きましたが、ほとんど変わらず。


 頑張れ!スジコB。なんとか今度こそ産んでほしいと思います。  そして万一明朝卵を産んでいなかったら・・・・・。

やはり卵詰まり

 ニシキハコガメ・スジコB、三度目の夜を徹しての穴掘りでも産卵せず、8月4日、熊本で唯一爬虫類を診てくれる動物病院に連れて行きました。

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 私の予想は大きく外れ、3個貯留。しかもまだ骨盤の方には下りていないものもありました。1個あるようにしか感じなかった私の感覚も当てにならないものです。
 この画像を見てショックを受けました。数年前のスジコAと同じ・・・「卵詰まり」です。

 画像で判断する限り、骨盤の卵が通る幅は約19mm、しかし卵の短径は約25mm。アメハコの卵殻は弾力性があるので、形を変えてでも骨盤を通過しそうなものですが、今回のは大きい。スジコBの調子からしても自然産卵は望み薄だと思いました。それでも、まずやることは一つ、薬剤を注射をして産卵を促すことです。そういえば今は亡きスジコAの時も同じだったので、もう一度体験している感覚がありました。あの時も出なかったな。

 処置後の夕方、またけなげに四日連続四度目の穴掘りをするスジコB。

 しかし、翌朝確認するも、やはり産むことができませんでした。

卵も親も両方とも救う!

 治療後も産卵できなかったニシキハコガメ・スジコB。朝会った時はさすがに消耗している感じでした。このままの状態が続くなら、スジコBも体内の卵も両方とも失うことになるでしょう。

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 しかし、せめてどちらかは救いたい、スジコBのこれまでの経過や体調を考えると、なんとか有精卵だと思われる卵だけは救えないかという思いが強くなり、その思いを動物病院の先生にぶつけてみました。8月5日のことです。

 先生もスジコBのことを真剣に考えてくださっていたようで、先生からは思いもかけない言葉が返ってきました。「卵も救いたいですが、私は親も救いたい。そのために最善を尽くします」
 その一言に励まされ、翌6日午後に開腹手術を急きょ執り行うことに同意しました。一刻も早い方がいいだろうとの先生の思いがあったからです。

 ※その手術の様子については画像がありますので、次回から少しずつ公開していきます。

 スジコBはその晩も五日連続五度目の穴掘りを始めました。本能に促されて行動しているとはいえ、まったくお前っていう奴は…。

卵詰まりの手術 -その1:開腹

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 8月6日、いよいよ開腹手術当日。朝早く起きて、ニシキハコガメ・スジコBに付着した泥を丁寧に洗い流し、手術に備えました。悲観的な予想で、生きている姿を目にするのは最後だと考え、写真を撮りまくりました。病院に連れて行くのは、私の仕事の都合で朝8時半。手術自体は午前の診療が終わり、午後4時から始まる午後の診療の前に行われる予定です。

 ひじょうに長い長い一日でした。

 手術の結果を聴きに行くのは、その日の午後の診療が終わる午後7時半以降。夕方実際に病院に出向いた時にはまだ多くの患者さんがいらっしゃり、待合室にいるスペースがないほど。結局夜9時近くになり全ての診療が終わった後に、先生・スタッフのみなさん非常にお疲れの中、丁寧に画像を使って手術の経過を説明してくださいました。

 その貴重な画像をいただきましたのでアップします。

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 麻酔をかけて眠るスジコB。個体の力が弱いとこの麻酔で死ぬこともあるらしい。

(注意) これ以降、生々しい手術の場面です。見るかどうかは自己責任でご判断ください。



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手術は成功しました!

 「手術は成功しました!」、この先生の言葉に驚きを隠せませんでした。8月6日夜9時前、熊本市東部、熊本県で唯一爬虫類を診る動物病院の診察室の中、ここでニシキハコガメ・スジコBの生きている姿を再び見られるとは思っていませんでした。手術前に入れてきた段ボール箱の中で、数時間前に手術をしたとは思えないほど活発に動き回るスジコB。何事もなかったかのように箱をよじ登ろうとする、驚きの光景が広がっていました。
 数年前、スジコAの時には、綺麗な箱に花と共に入れられて、もはや決して動くことのない姿で連れ帰ってきました。その印象が非常に強く、今回も動かないスジコBを連れ帰ることを勝手に覚悟していたので、生きている姿を見たときには言葉が出ませんでした。
 そしてお腹にあった卵、1個は残念ながら割れてしまいましたが、2個は無事に回収していただきました。前もって渡していたタッパーの中で、ミズゴケに優しく包まれて戻ってきました。

 あんなに大掛かりな手術を受けたのに、その日には退院、というのも信じられません。

 それにしても感動したのは、先生とスタッフの皆さんの働きぶり。朝8時半に私がスジコBを病院に持って行ったことから患者への対応が始まり、午前中通常の診療を行い、早い午後の時間にはスジコBの2時間半に及ぶ手術、その後午後の診療が長く続いて、最後に9時前に私への結果報告で、患者対応を終えていらっしゃると思います。たぶん相当お疲れだったと思うのですが、笑顔を絶やさないその姿勢に感動しました。今回の手術は寛大な先生のおかげで成功裏に終わり、本当に感謝しています。


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 翌8月7日には白濁が始まりました。右の卵は先月スジコCが産んだ卵です。スジコCの卵も、初めて産んだ頃よりは少しずつ大きくなってきましたが、やはりスジコBの卵は大きいです。そして今回はっきり分かったこと、それは腹腔から人為的に取り出した卵でもきちんと発生するということ。それにしても体内にある時は発生しないのに、体外に出た途端発生するのは何故?酸素または二酸化炭素濃度が関係しているんでしょうか?謎です。

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 手術後、飲水はするものの全く餌を食べなかったスジコB。手術から4日経った8月10日、やっとサプリメント添加の挽き肉を食べてくれました。


 今回の手術の成功で、すべてがハッピーエンドになるかといえば実はそうではありません
 生物の繁殖しようという植え込まれた無意識の意志は非常に強く、人為的に止めることは、生殖器官を取り除かない限りできないようです。先生がおっしゃったことなのですが、スジコBにはすでに次期卵の予備軍が続々控えていたとのことです。これが何を意味するかお分かりでしょうか?すでに切ったり縫ったりしていますので、次回もう一度卵詰まりを起こす可能性が高いということです。2度目の開腹手術・・・物理的に難しいと思われます。
 卵の成長を止める薬は?世の中の必要上、動物医薬界では、産ませる薬はあっても、産むのをやめさせる薬はなかなか開発されない方向にあるようです。まして爬虫類では…。
 今回仮に、今後繁殖できないように人為的に処置しようと思ったとしても、その生殖器官は体内の奥深くにあり、処置がかなり難しいようです。

 これらの諸要素を考えると、今回の手術の成功は一時的なものであり、将来にはまた大きな問題が横たわっていることが分かります。それを考えると気持ちが滅入ってしまいそうです。またそれに備えて今後自分にできることは限られているように思います。すべては自然任せ。
 そうならば、今この良い結果を大いに喜びましょう。そしてできるだけのケアをしてやりましょう。それしかできないもんね。



一連の関連記事。
卵を産まない日々
やはり卵詰まり
卵も親も両方とも救う!
卵詰まりの手術 -その1-:開腹
卵詰まりの手術 -その2-:卵の摘出
卵詰まりの手術 -その3-:腹甲板の修復

スジコB、順調に回復中

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 元に戻した腹甲板の境目から少し血がにじんできているようですが、ニシキハコガメ・スジコBは順調に回復しているように見えます。挽き肉以外に、この前はミミズを、今日は初めてデュビアを自分から食べました。



 そんな中、別の個体、スジコDに変化がありました。抱卵しています。後足の付け根から触ってみると、お腹の中にはスジコB以上にパンパンに卵が入っているように感じ取れます。それが8月12日に穴掘りをしていました。
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 しかし、しかしです・・・産卵に至りませんでした。これがキボシさんがいう“産む産む詐欺”(非常に当を得ているネーミングだと思います)でしょうが、その後は一向に穴掘りもせず、産卵の気配が消えてしまいました。餌食いは良く、昆虫などをまだガンガン食べています。
 スジコBの件があったばかりなので、“スジコD、お前もか!”という不安とそのうち産むんじゃ?という楽観的にならせようとする気持ちが自分の中で闘っています。今年は心臓に非常に悪い夏です。

手術で取り出した卵の内部では

 手術からちょうど十日経ちました。手術で取り出したニシキハコガメの卵は胚が発生していました。
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 一方、親のスジコBはジャイアントミルワームやデュビアをよく食べるようになりました。

スジコD、お前もか?

 スジコD、お前もか? 2匹連続の卵詰まりの可能性も疑い、不安いっぱいの飼い主。8月12日に産む産む詐欺をしていたニシキハコガメ・スジコD。このお盆の期間、仕事が休みだったのに重苦しい日々を過ごしました。

 あれから数日が経った16日朝、スジコDは土に潜っていました。たいてい夜のうちにこの光景は見るのですが、今回は朝。
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 スジコBも掘ったことがない、飼育場の真ん中寄り付近。たいがいどのニシキハコガメも飼育場の端寄りを掘って産卵します。どのカメもそうでしょうが、以前だれも掘ったことがない場所を好む傾向もあります。今回はその点では未掘の場所ゆえ有望かも。

 それにしても地表に出てきません。昼間はずっとこんな状態でした。

 日が暮れてもこのまんま。

 そして夜も深まった頃飼育場を見ると、スジコDは地表に出ていました。

 持ち上げてみると若干軽くなったような。このままでは後足の付け根を触らせてくれないので、飲水も兼ねて水浴させることにしました。そうすると甲羅に閉じこもっていられないので、たいがい触らせてくれます。すると飲むは飲むは、数分間水を飲み続けました。
 十分飲ませた後足の付け根を探ってみると、果たして卵は体内からなくなっていました。産んだ!
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 それから家族の助けも借りて、懐中電灯で照らしながら夜の卵掘りです。すると飼育場の底付近、最深部から3個の卵を回収できました。甲長の2倍はあるかのような深さの所に産卵します。こんなに深く埋めるのは何故?孵化した仔ガメがはい出してくるのがかなり大変なのではと思うのですが。
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 掘り出した卵はいつものように凹んでいます。全く凹んでいなかったスジコBの摘出卵を触っていたからか、今回は特に卵殻が柔らかいように感じました。大きさとしてはスジコBの卵とあまり変わらないかも。
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 前回の卵は3卵中1個が孵化まで至りましたが、幼体は孵化後餌を全く摂らず死んでいきました。確実な交尾の場面も確認していませんし、今回のがどうなるか疑問もありますが、湿ったミズゴケの中に埋め込んで凹んでいる部分をふくらませる作業を開始。

 そして、今日1卵だけ白濁を確認しました。

孵化状況の報告

 猛暑の中のぼちぼち孵化しています。

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 ◎キボシイシガメはすべて孵化完了。しかし、初飼育なのでなかなか餌付けにくい気がします。

 ◎セマルも、たぶん♂になるであろう仔たちは孵化しました。

 ◎種子島産ニホンイシガメ、今年は不作っぽい予感が。
あのブロックの穴の中に産み落とされた卵では、中から殻を割って手が出てくるのですが、翌日にはこと切れている状態が3個連続で続いています。しかもでかい卵黄が残ったまま。



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 ◎ニシキハコガメは、スジコCが産んだ1個と、スジコBから手術で取り出した2個は順調に発生しています。最近スジコDが産んだ卵は結局1個だけしか白濁せず、今後♂を掛ける必要性を痛切に感じています。

 一方、春先に生まれた2010CBたちは、猛暑もものとせず食欲旺盛で、どんどん成長しています。噛み合いもなく今のところ順調。

 2009CBは成体♀たちと一緒の飼育。泥まみれでたくましく生きています。




 この猛暑、いつまで続くのでしょう。家の中でもできるだけ気温が低いところで管理していますが、31℃くらいまでは上がっているようです。

 自然界もおかしな時代になってきました。世の中の人間様の活動もおかしいですし、多くの人は生活に不安を抱き、カメなんて飼う(買う)余裕もないような時代になってしまいました。

ロンギ♂の初脱皮

 九州レプタイルフェスタで購入したオーストラリアナガクビガメ(ロンギ)♂が初めて脱皮しました。最近はwaterland tubの中でも餌を食べるようになったロンギ。といっても配合飼料には全く餌付かず。他の2匹も全く・・・。

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 たまたま水替えで剥がれた甲板を見つけてしまいました。カメも見えないほど水が濁っていたので、脱皮中なんて全く気付きませんでした。そしてカメを取り出してみると、縁甲板と腹甲後半はすでに剥け終わり。

 その後はすべて手作業で剥きました。その面白かったこと。また、簡単に剥ける脱皮片の下からは、わずかに弾力のある滑らかな甲が現れます。その肌触りの気持ち良いこと。若干甲の表面がワックスを塗ったかのようになっているのも興味深い。

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 脱皮前とは大違い、とても綺麗なカメに変身しました。もう“ボロンギ”とは呼びません。



 一方、剥がれた甲板の汚いこと。しかも過去に脱皮し損なったのが層を成している。このせいで甲板が盛り上がり、少し見苦しい状態になっていたわけです。

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 ナガクビで飼育しているのはロンギのみ。温帯産で無加温飼育できるのでこの種を選びました。いつか繁殖させたいと思っています。

パリ国立自然史博物館のカメ

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 つい先ごろパリ帰りの友人が見せてくれた、たくさんの写真の中からのピックアップ。国立自然史博物館(le Muséum national d'histoire naturelle)にて。こんなのを掘り出してみたいものです。



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 ちゃんとカメもいました。3匹いますが、うち2匹はアカアシ、キアシでしょうか。

 これを見ると、とあるイラストを思い出します。滝野晴夫氏の「動物たちの地球」という作品です。動物たちが一緒に並んで行進している様子を前から描いたものです。かつてかなり大きなジグソーパズルで発売されていました。そのパズル、我が家では今でこそ押し入れで保管していますが、かつては部屋の壁に飾られていました。久々に押し入れから引っ張り出してみると、迫力は流石。そのイラストの中では、最前列、向かってパンダの左にゾウガメが行進しています。