過去の症例

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 この個体たちは今は亡きスジコAの仔たち、つまり2006CBです。数年前のまだ小さかった頃の写真です。

 2006CBは現在2匹います。それが真ん中と右の個体。(右の個体の見上げる目が何ともいえずかわいらしいと思います)。

 ということは左の個体が今はいません。



 その今はいない個体。2006CBの中で、一番成長の早い個体でした。模様もとても鮮やかで綺麗。
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 しかし、異常があるのが分かるでしょうか?

過去の症例(続き)

 (続き) 成長よし、模様よしのニシキハコガメ2006CBですが、顔を正面から見ると、

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 噛まれ傷です。これでも傷を負った直後ではありません。だいぶ肉が被ってきています。それでも上嘴がなくなり、鼻の穴までなくなり、骨まで達しているのが分かります。

 これでは餌も上手に食べることができません。また相当ショックだったのか、性格が変わってしまったのか、すっかりおどおどした個体になってしまい、他のきょうだいたちとひと時のうちに力関係が逆転してしまいました。

 成長の点でもいつの間にかきょうだいたちに追い越され、傷もなかなか修復されず、だんだん弱り、ついには何カ月も後に死亡してしまいました。成長スピード・模様とも将来性豊かな個体だったので非常に残念でした。

 ニシキハコの場合、噛まれると人間でも傷を負います。また小さな幼体同士の噛み合いでもこのようになるのです。実際昨年、2009CBの間では、足先が片方なくなったケースが生じました。爪が飛ぶくらいならまだまだ序の口。身体障害が残り、最悪の場合死に至るほどの傷を負ってしまうので、幼体の飼育には特に気を遣うのです。

 カブトニオイの幼体も今までだいぶ孵化させましたが、集団で飼育しても傷を負うことはほとんどありませんでした。セマルハコでは傷を見た記憶さえありません。他のアメハコのことはよく分かりませんが、アメハコではたぶんニシキハコが一番ひどいのではないでしょうか?



 しかし、 


 そういう危険性はあるものの、今年から、同じ年に生まれたCB同士を同居飼育し始めました。水を張った環境ではなく、土に潜ることのできる環境では、噛み合いも随分低減できるのではないかとの予想の下に行なっています。

土飼いの利点

 ニシキハコガメ2009CBの同居生活、すこぶる順調です。、ダイソーのパーム用土を厚めに敷き潜らせています。これは撮影のためにすべての個体を地表に掘り出したものです。
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 今のところ恐れていた噛み合いも全くありません。

 この飼育の利点;
①世話にかける労力も時間も少なくなり、とても飼育が楽になりました。
②甲羅の成長が自然になりました。湿った土に潜っているためだと思われます。実際この方法を始めてまだ短期間ではありますが、スジコBの仔たちに見られていた背甲と腹甲の成長バランスの差がここにきて解消されつつあります。

卵に変化あり

 先日春分の日、残念な出来事として紹介したニシキハコガメの卵。昨年導入直後腹甲に大きな傷を発見したスジコDが突然産んだ卵のうちの1個です。

 報告後の翌日22日、いきなりカビが生え始めました。やはりダメでした。
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 他の卵は?早くももう2個のうち1個だけ孵化し始めました。45日目です。早すぎでしょう。
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ピンクダリア

 今年もこの花の時期が到来しました。ツバキ“ピンクダリア”です。椿離れした鮮やかな花がなんともいえません。
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 さて、スジコDの卵のうち、成長不良だった卵がありましたが、中身を観察してみました。




 綺麗な花は前振り。このあとに【注意!】少々グロテスクな画像が続きます。





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 順調に成長しているように見えます。目の存在も分かります。しかし、この卵、産卵後44日経っています。それで胚がまだこの大きさ。小さすぎです。
 もともと他の卵と比較して成長が極端に遅いなと思っていました。それでもなんとか生きていました。しかし、撮影時点では全く動きがありませんでしたし、卵は大きく凹んできていました。

 切開してみると…
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 小さなハサミを主に使って一連の作業を進めましたが、不思議とほとんど腐臭はありませんでした。

 やはり成長していませんでした。卵黄はこんなにたくさん残っています。

 ↑の画像は胚の背中側から見たもの。この胚を卵黄から剥がします。

 当然ながら腹側は卵黄と結ばれていました。それを切って卵黄と胚を分離します。


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 体長わずか15ミリほど。しっかりと四肢が形成されていました。

 また背中がこんもりと盛り上がっています。甲羅形成の途上だったのか?
 

 これを表裏ひっくり返します。腹側から見ると…
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 頭部の黒点は眼だと思うのですが、それとつながっている角のような黒い部分は何でしょう? 脳? その下は鼻や口? 

 詳しくは分かりませんが、体の各パーツができていく様子は不思議としかいいようがありません。細胞が体の適切な部分で適切な機能をもつよう分化し、いらない部分は適切な時期と場所でアポトーシスし、きちんと機能する器官ができあがるのは、当り前のように身の回りで起きていますが、まさに奇跡です。

出てきました

 早々と卵殻を割っていたスジコDの仔が、ついに出てきました。

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 背甲がこんもりドーム状で、ウルウルした大きな眼と相まって、めちゃくちゃかわいいです。

 この仔の父は我が家にいる♂個体ではないので、別の血を引いています。

 複雑なパターンの模様が今後どうなるか楽しみでもあります。