ついに産卵、でも立ち会えなかった・・・

 ニシキハコガメ・スジコBの産卵終わりました。といっても残念ながら今回も立ち会えませんでした。7月30日から今日夕方まで留守にしていたからです。その間世話を頼んでいた家族の話によると、出かけた当日の夜に穴掘りを始め、翌日7月31日の朝にはきれいに埋め戻しを完了していたとのこと。今日久しぶりに見たスジコBは、食欲がなくて不活発だったあの頃とはまったく違って活発さが戻っていました。

 家族から穴を掘っていた場所を教えてもらいました。 ↓産卵箱の隅っこ。埋まっているであろう場所の上にスジコBを置いて撮影しました。
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 絶対卵を割らないよう慎重に素手で掘っていくと、やはり最下層(とにかくこの種は深い所に産卵します)に産卵していました。まず1個発見。その後周囲を掘ると、全部で4個出てきました。
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 やはりどれも凹んでいます。

 問題は有精卵かどうか。前回の2クラッチ目・2個は、無精卵と白濁したかに見えて発生が進まない卵でした。非常にがっかりさせられましたが、その後計画的に交尾をさせたので、今回無精卵はあり得ないと思っていますが・・・・。

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 産卵4日目の今日見た限り、どの卵も白濁が進んでいました。

 現在孵卵用のタッパーに入れて、湿度をかけて保管しています。


 追記: 6月にブロックの穴の中に産んでいたニホンイシガメの卵が数個孵っていました。また同じ個体の2クラッチ目もすべて白濁しました。

検卵 7日目と10日目の比較

 6日目までは胚の発生を確認できなかった卵も、わずか1日後の7日目には4個中3個に胚の発生を確認できるようになりました。この変化には少なからず驚きました。7日前後で、胚が確認できるようです。

 そして、さらに3日経った10日目の様子。

 検卵10日目、ニシキハコガメの卵4個ともすべて発生確認できました。これまでのデータによると産卵50日前後で孵化に至りますので、順調に進めば40日後の9月19日あたりに孵化する予定です。

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 ↑ 宇宙空間で、地球の水平線から太陽が昇るかのような画像になってしまいました。なにか素人目でカッコいいと思ってしまいました。

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 以上7日目に画像を撮らなかった卵です。7日目に発生した兆候がまだ見られなかったのが卵「A」です。




 一方、7日目に画像を撮っていた卵は、この3日間でどう変化したでしょうか?
 この卵は「C」としておきます。7日目に卵の下の方、卵黄ギリギリに胚が発生していたと思ったのですが…
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 これが3日後にこうなります。 
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 ↑ 今回は卵の上の方に胚が移動していました。不思議です。しかも胚も随分大きく太くなっています。




 もうひとつの卵、「D」としておきます。
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 3日後は… 
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 急激に大きくなるんですね。

飼育の原点(1)-初めてのペア導入

 現在の2006CBの母親“スジコA”について書く気になりました。その飼育は私自身のニシキハコガメ飼育の原点でもあります。

 残念ながらスジコAは今、存在しません。2007年7月9日、土に帰りました。それは喜びの絶頂から悲しみのどん底に突き落とされた、到底忘れることのできない壮絶な体験でした。

 あれから丸2年経ち、また暑い夏が巡ってきています。最近自分の中で起きている小さな変化に気づいています。ついこの前まではいつも思いに上る壮絶な体験だったはずのものが、最近は自分の中で、ずっと以前の出来事ようになっているのです。自分の中でついに一区切りがつき、解放されたという意味でしょうか。もしかしたら、今年再び仔を得た経験が癒しとなり、またスジコAのこどもちが順調に成長しているのを感じ、そうさせているのかもしれません。

 さらに、ニシキハコガメの飼育開始となると、その体験からさかのぼること数年、当時を思い出すのにも時間がかかるようになりました。それで、記憶がまだ鮮明に残っているうちに文章の形で残しておきたいとの思いもあり、このカテゴリーで書くことにしました。また、そこに書いたものが、何がしか今飼育している方々のお役に立つことも望みながら…。






 時は2003年12月末、今も営業している関西のとあるショップから、我が家にカメのペアがやってきました。それはそれは清水の舞台から飛び降りると形容できるほどの高額な買い物でした。そう、ニシキハコガメのペアです。しかもそれまでアメリカハコガメの飼育経験はゼロ。おまけに画像で判断しなければならない通販。そして真冬。とても勇気のある、いやむしろ実情は無謀な飼育の始まりでした。またある意味では、将来の喜びの始まりでもあり、その後のさらなる悲嘆の始まりでもありました。

 来た当日は餌も食い、まあ元気が良かったのですが、翌日から見る見る間に“電池が切れるかのように”不活発に。あとで聞いたのですが、何か動物医療上の処置を施して、活性を上げてから発送しているのでこうなる、とのことでした。そういえばこの処置に関しては、そのショップのホームページ上でも一時公開しておられましたので、よかれと思ってなさっているんでしょう。

 特に♂の状況は深刻でした。体重も軽め、確か250g前後だったように記憶しています。戸惑う私は、今はこの世界で名をとどろかせている方々を頼みの綱とし、直接また間接的にアドバイスをいただきました。しかし、その甲斐なく2004年3月に死亡してしまいました。最後は200g近くまで落ちていたと記憶しています。“飼育”いや“看病”期間は約2カ月でした。こうして、大金をはたいて始めた飼育の最初からつまずいてしまいました。積極的な見方をすれば、この間にいろいろなスキルや心構えを学ぶこともできたとも言えるかもしれません。

 購入時は数ペアの中から雌雄を自由に組み合わせて選ぶことができたのですが、自分が選んだ♂個体はこれ(到着時の画像)。愚かなことですが模様優先で選んでしまったのかもしれません。こうやって改めて見ると、今なら絶対に手を出さなかったでしょう。こんな個体をショップはなぜ販売するのかという思いもありますが、自分の目利きのなさにも腹が立ちます。
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 一方♀の状態も似たような経過をたどります。ただ♂と違うのは、体重が重めで、土に潜って出てこないところ。心配して悶々とする日々を送りつつあれこれ試しつくした後、“寝たがっているだけなのでは?”とのアドバイスをいただきました。飼育技術の云々も今より少ない時代、この一言のおかげで自分を落ち着かせ、現状を静観する方向へと飼育方針を切り替えることができました。

 飼育し始めて1カ月ほど経った2004年1月下旬の画像。模様よし肉付きよしですが、眠そうな眼です。
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 するとどうでしょう、静観しはじめて1、2ヶ月ほど経ったある時、土から這い出してきました。そしてそれから少しずつ餌を食べ始め、次第に活発さを取り戻していったのです。“もう眠いんだから起こさないでちょーだい”というサインに気付かなかっただけのようです。

 このように「立ち上げ」から始まった飼育は、その最初から苦難に見舞われその後も苦難の連続でした。それでもこの種の飼育をやめずに続けてこれたのはどうしてでしょう。


 自分が学んだこと(あくまでも個人的見解です); (甲長11cm前後の)成体のニシキハコガメを購入する場合、肉付きを目で確認し、「体重」を必ず尋ねること。甲長の割に体重が軽すぎる個体は購入しないのが無難です。(今はほとんどないかもしれませんが)「立ち上げ」が必要な場合、体重がどんどん落ちることがあり、軽い個体の場合すぐ危険レベルになってそのまま…ってことになりがちです。当時自分が設定した基準は300g以上、今は甲長との兼ね合いによりますが250gはあって欲しいです。最近成体を見る機会がめっきり減りました。それでも時折見る成体は立ち上げが必要でない飼い込まれた個体がほとんどのようです。うん、「立ち上げ」はとても大変です。体重がないともっと大変。そして言うまでもないことですが、国内繁殖個体の方がはるかに飼育が楽です。

 さて、やもめになってしまったニシキハコガメの♀。この後お婿さんを迎えることになるのでしょうか?


飼育の原点(2)-新たな♂の導入

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 バスキングするスジコA(2004年1月末)。とても気持ち良さそう。この頃は♂の世話にかかりっきりで、スジコAの調子も上がらず悩んでいました。それもそのはずです。スジコAは寝たがっていたのですから。この後、前述の通り室内クーリング状態に入りました。

 スジコAの身体はどう変化したのでしょうか?残っている記録によると、2004年3月時点の計測で甲長11.7cm体重約360gだったスジコAは、同年7月の時点で甲長12.3cm体重約410gまでになりました。


 さて、♂個体が死んで3か月以上経った2004年6月23日、スジコAに新たな婿を迎えることになりました。

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 販売名「色変わりキタニシキハコガメ」、甲長12.5cm体重330gです。独自の基準体重はクリアしていました。

 亜種判別については論争が起こりそうな個体です。私も興味あるところです。クリーパー15号にはキタニシキとミナミニシキの違いの一つに、放射状の模様が第二肋甲板でキタは「5~8条前後」、ミナミは「11~14条前後」とあります。この個体の場合キタの条件に当てはまります。しかし、地色が通常のキタニシキハコガメより明らかに薄い。それで「色変わりキタニシキハコガメ」ということになったのではないかと思います。ちなみにさらにその前の販売ルート上では「ミナミニシキハコガメ」だったようです。つまりこの個体は、販売名「ミナミニシキハコガメ」→販売名「色変わりキタニシキハコガメ」、という変遷を経て、我が家にやってきたことになります。

 この新たな♂個体と、鮮やかで太い黄色い放射模様がもったスジコAとで、もし繁殖を目指せたらどんな仔が生まれるのだろうと想像しながら購入しました。

 しかしながら、これも事前に分かっていたことなのですが、飼育上の困った点もありました。配合飼料に全く餌付いていない点です。飼育技術をお持ちの前飼育者の方をしてもこの点はどうにもならなかった、ということでした。さらにこれも事前に分かっていたことですが、再生しないであろう爪とびおよび甲羅や鼻穴の変形もありました。

 ※ 結局亜種はどちら? 自分としては、いわゆる「色彩的にミナミっぽい特徴を持ったキタ」ではないだろうかと位置付けています。ニシキハコガメに関しては本当にキタとミナミの亜種分けが必要なのかとおっしゃる方もいらっしゃいますし、実際中間的な個体を目にすることも結構あります。それで当ブログでは、「キタ」および「ミナミ」の表記を付けず、ただ単に「ニシキハコガメ」と表記しています。

2009CB 個体B/C 成長記録(2009年8月)

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個体B(左)
8/16時点 甲長3.6cm
7/18時点 甲長3.3cm
6/27時点 甲長3.1cm

 地色がとても黒い、精悍な個体になってきました。首周りの筋肉がとても太く、力強さを感じます。
 もともとスポットが細かく、これからどんな放射模様が上がってくるのか楽しみです。



個体C(右)
8/16時点 甲長3.4cm
7/18時点 甲長3.2cm
6/27時点 甲長2.9cm

 個体Bより地色が若干薄め。肋甲板と縁甲板の境目の成長部分に、太めの黄色い放射模様が数多く上がってきています。

2009CB 個体A 成長記録(2009年8月)

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8/17時点 甲長6.3cm体重53g
7/18時点 甲長5.7cm、体重37g
6/17時点 甲長5.3cm、体重33g
5/17時点 甲長5.0cm、体重29g
4/13時点 甲長4.6cm、体重20g
3/24時点 甲長4.3cm

 今年一番の成長ぶりです。とにかくよく食べます。

飼育の原点(3)-もう1ペアの追加と消滅

 2004年、この年は爬虫類オークションサイトに、次から次にニシキハコガメの成体が出品され始めた年でした。かく言う私も、2004年10月半ばに、同県の出品者から“飼い込み”ペアを落札しました。

 ところが、到着した箱から出てきたのは、鼻水ダラダラ、顔じゅうが粘性のある鼻水でまみれた♀個体でした。あとにも先にもこれほど酷い鼻水の個体を見たことがありません。また、送られてきたのは出品されていた当の個体でしたが、体重がオークション表示よりかなり軽くなっていました。吃驚してすぐに出品者に連絡し、交渉の末何とか交換してもらうことになりました。

 返送も再送も運賃は当方持ち。とにかくまともな個体が届いて欲しいとの思いだけで受け入れました。そうやって届いた代わりの個体。↓(到着時、朝9:08撮影の画像)
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 ほんとに“飼い込み”? 10月で肌寒くなってきており、翌月には冬眠に入るとはいえ、体調が十分上がりきっていない感じの個体。もうほとほと交渉にも疲れていましたし、前回ほどの目立った不具合がなかったため、このまま飼育することにしました。
 しかし、やはりすぐに不活発になり、鼻水をだすようになるわで結局動物病院通いになりました。その後一旦立ち上がったかに見えた個体でしたが、結局同じ症状で何度も病院に通うはめになり、徐々に衰弱して2006年3月死亡しました。

 一方♂は来たときから元気でした。しかし、ほどなくして耳の腫瘍を生じるようになり、しかも処置をしても再発するため、♀の死後自分よりふさわしく対処できる方のところに行くことになりました。とはいえ私はこの個体から多くのことを学ぶことができました。
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 こうして2004年末から2006年初めまでの約1年4ヶ月の間、2ペアでの飼育体制でしたが、ふたたび1ペアでの飼育に戻りました。

 しかし、そうしたことが起こっていた中の2005年秋、初めてスジコAと色変わりキタニシキの交尾の成功をこの目で確認できました。冬眠後の2006年初夏、産卵を期待できるでしょうか?


 それにしても当時オークションで数多く売られていたニシキハコガメたち、一体どれほどの個体が今も生存しているのでしょうか?同じ出品者が販売した個体の不調を、自分だけではなく他所でも聞いたので、なおさら案じられます。環境に慣れた個体ならかなり強いと思うのですが、そうでないものは成体でも飼育しづらく感じます。

飼育の原点(4)-念願叶う!スジコAの初産卵

 冬眠から無事覚めたニシキハコガメのペアに、ついに喜ばしい時が訪れました。2006年6月14日、スジコAがついに産卵し始めたのです。以前より抱卵を確認していたので、準備をしてその時を待っていました。そして6月14日の晩、大雨の中産卵が始まりました。

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 その穴の深いこと、今までに飼育したカメではあり得ない深さです。 (最近キボシさんのブログ[2009年8月5日付]で、穴がなぜ深いのかが紹介されていましたが、私もその理由をそこで初めてよく理解できました。感謝)。 この時も土を20cm以上入れていたのですが、土の表面よりもにスジコAの顔が見えます。

 このとき産んだのは全部で3個、うち2個が発生しました。

 しかし、この後ちょっとした問題が卵に起きました。2個の卵にもともと凹みがあり、それが日増しにひどくなっていくのです。卵の中の水分が出て行っているのだろうとは予想できましたが、アメハコ飼育は初めてだったので、どうしたらくい止められるのか分かりませんでした。そこである方に尋ねると、ミズゴケに水をたくさん含ませて湿度を上げるようにとのアドバイスをいただきました。すると凹みの拡大は止まり、逆にだんだん凹みが改善され、本来の形に戻っていったのです。これにはひじょうに吃驚しました。卵が外界の湿気を吸収することは、自分の知見を超えていました。卵に殻があるのは乾燥から卵を守るためと学校で習った気がするんですが。

 しかし、このときの無知が原因で、2個のうち凹みが大きかったほうの発生が止まりました。そして何とか1個のみが持ち直し、孵化に至りました。孵化日は8月2日、49日で孵化したことになります。



 1ヶ月後の7月14日、2クラッチ目の産卵がありました。
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 前回のことを考え、土をさらに深くして臨んだのですが、やはり穴が深い!もし底に限りがないとしたら、どれくらいの深さに産むんでしょう?

 2クラッチ目は4個の産卵ですべて発生しました。そして教えていただいた方法で凹みを克服し、すべて9月3日に孵化しました。51日目のことです。

飼育の原点(5)-スジコAの卵詰まり

 2007年初夏、その前年2クラッチ5匹を孵化させられたことに勢いづけられ、2年連続の繁殖を狙うべく、冬眠から覚めたニシキハコガメのペアを管理していました。少なくとも5月初旬には抱卵を確認し、5月下旬大潮あたりの産卵を予想して、前年と同じように産卵床を準備しました。ここまでは今年も非常に順調なように思えました。そして予想通り5月下旬穴掘り動作を始めました。

 しかし、この時は穴を掘っただけで終わりました。もう少ししたらきっと産むだろう、と考えましたが、その後も産卵はありません。自分の見当違い?次の大潮の日?今回はかなり遅いけど・・・、と思いながら、次の6月半ばまで待つも結局産卵はありませんでした。その頃には後ろ足のところから指を突っ込まなくとも、皮膚を軽く触るだけでその下の卵に触れることができました。そして、餌もまったく食べなくなり、動きも鈍くなり、歩くのもしんどそうになりました。ただ息む様子や苦しそうな様子、狂ったように行動する様子などは全くありませんでした。

 それでついに獣医師のところに連れていくことにしました。今回は事が重大だと思ったため、数時間かけて近県の非常に詳しい獣医師のところに予約を入れました。詳しい問診の後、撮られたX線画像を見て、愕然となりました。
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 卵は全部で6個、しかも体の中でかなりの大きさを占めています。卵の径が43ミリであるのに対し、通過すべき骨盤腔は22ミリ、2倍近く大きいので産卵できないのでしょうという診断でした。こうなってしまうと外科的処置しか方法がないとも言われました。しかしここで一つ問題が起きました。獣医師の都合により、どうやりくりしても手術が2週間ほど先になってしまうということでした。カメ版インフォームドコンセントで、本当に丁寧に説明してもらいました。本当はすぐにでも手術をすればいいのでしょうが、それはどうしてもかなわず、いったん帰宅して熟慮した末、2週間後の手術をお願いすることにしました。

 自宅で管理した、手術までの2週間の長かったこと。最初は苦しがる様子も見せず、水入れの中で水に浸かって過ごしていました。日光浴の時にとるような気持よさそうなポーズをとることもありました。しかし、足の動きが悪くなり、次第に歩行が困難になっていきました。なんとかいのちの火がもちこたえてくれ、との思いでこの2週間を過ごしました。

 そして7月初旬、スジコAの手術は行われました。腹甲に四角い穴を開けて、大きすぎた6個の卵は摘出されました。可能ならその卵も救いたいと思いましたが、その大きさゆえにかないませんでした。
 手術は無事終わりました。しかし、すでにかなり弱っていたスジコAは麻酔から覚めた後再び動き出すことはありませんでした。

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 自分としては我が家にやってきて飼育し始めた個体にできるだけのことはしてやりたいとの思いで、初めて外科的処置を受けさせました。しかも手術までの待機時間があったため、その成功の可能性は低くなっているだろうと感じてもいました。カメの種類によっていのちの価値に優劣をつけたいとは思いませんが、スジコAだったから、つまりニシキハコガメの繁殖の面白さに最初に気づかせてくれたスジコAだったから、可能性が少なくても受けさせたという面があるかもしれません。

 この「ニシキハコガメの卵詰まり」、私は♀の死因として結構よく耳にします。この2007年以来、自分を除いてもほかに3件、卵詰まりによる死亡の話を聞きました。この種に卵詰まりが起こり易いのかどうか私は分かりません。しかし、もし繁殖を狙う機会があるならば、卵詰まりも起こりうるという点を念頭に置き、もしその兆候が見えたなら早めに対処なさるようお勧めします。早く対処し始めるなら、貴重なこの種を失わずに済むかもしれません。また、ここにいくつかの画像を掲載しましたが、本来はネットで公にしたくはありませんでした。それでもあえて掲載したのは、ニシキハコガメの飼育者の方がこの種をよりよく飼育する点で役に立つならばと思ったからです。

 この経験はこれまでずっと自分のうちでトラウマになっていました。しかし、今は不思議なことにスジコAの死を自分でも驚くほど冷静に振り返ることができています。これが昨年だったら考えられません。これには今年の繁殖の成功が大きく関係しているのかもしれません。今年も産卵シーズンは終わりましたが、来年2年連続の繁殖を狙えたらと思っています。