一時は覚悟したけれど、何とか持ち直す

 ニシキハコガメ2016CBのうち、マイコレにすると豪語した個体、実はこういう個体に限って、何か問題が起きるんですよね。今までも何度かあった記憶が。

 実は・・・死にかけてました

 あんなに餌食いが良く、めきめき成長していたのに、ある時から食わなくなりました。10月半ばくらいだったでしょうか。しばらく様子を観察し、自分にできることはやっていましたが、衰弱はひどくなるばかり。忙しさもあって、やっと動物病院へと行動を起こしたのが1週間ほど経った某日。
 基本的に幼体の場合、その個体の寿命として受け入れることも多いです。しかし、今年一番の模様の個体を失うのがあまりにも惜しいこともあって、一縷(いちる)の望みをもって動物病院へ。



 診察する獣医の雰囲気にはこの個体の命に対する険しさが表れていました。口内を観察しても色が悪い。このちっぽけな個体を見て、たぶんダメだろうと思ったでしょう。私もそう思っていました。

 わずか21グラムの軽量。いつものあの注射ですが、計算で導き出したしずくほどの量の薬液を、細いとはいえ彼らからしたらぶっとい針で体内へ。



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 翌日は少し反応が良くなったような気がしました。これは注射翌日の写真。写真を撮りまくったうちの一枚。この目を引く独特の模様はあまり出てこないですし、首の周りにも珍しくやや細かな模様が見られます。生きてるうちに記録に残しておこうと。

 弱ってしまい自力で今いる場所から移動できないし、餌を自分からは食わないので、ふやかしてすりつぶした配合飼料に果汁などを少し混ぜた水状の餌を、口の中にシリンジで投与。吐き出さず飲むので助かりました。朝晩二回投与。もちろん温室で30℃管理。

 状態が上向いていたので、数日後に再注射。




 そうやって世話して、最近やっと自力で食べるようになりました。配合も自力でかじるように。
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 今回このサイズのカメでも、体内に入ったか入らないかわからないようなごく微量の注射が効きました。症状としては餌を食わずに不活発になったことだけ。他の外見上の症状はまったくなし。でも体内では何か悪さをする原因があったんでしょうね。




根がかなり深かった

 昨年から、人間でいう左肩あたりに大きなコブができて、調子を崩していたカブトニオイガメ2008CB。池で飼育していると、他の個体にいじめられて確実に死ぬと思い、隔離飼育してました。2003CBが死んでしまったので、なおのこと残しておきたいとの思いが強かった個体です。


 三月時点での画像ですが、穴が開いてました。
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 このため、左前あしはほとんど動かせません。骨などにも影響ないのでしょうか。



 しかし、暖かくなるにつれ、この個体自身の餌食いも良くなり、だんだん下から肉が盛り上がってきました。あの穴がこんなに変容するとはそれはそれで驚き。

 ふと見ると、これってポロリと取れそうじゃない?
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 取れました。でも正確に言うと、抜けました、という感じ。
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 かなりでかい塊となっていたのでした。
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 これは今まで見た中で最大の摘出膿腫。

 肩の部分には、大きな穴が残ってしまいました。
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 このあと前あしが以前より動くようになりました。

 穴はやがてふさがるとして、この治癒にエネルギーを注ぎ込んだためか、毎年抱卵していたこの個体は、今年はその気配がありません。今年はゆっくり休んでいただくことにしましょう。





追記
 抱卵していた池のカブトニオイ(上記個体とは別個体です)、産んでましたね。でも、探しまわりましたが、卵のありかを見つけられませんでした。まだ回収を諦めていませんが、自然孵化もいいかも。そして、昨年の仔で、自然孵化していて回収し損なったカブトニオイベビーの残る一頭も、どこに行ったのやら。あのあとお目にかかっていません。



Razor-backed musk turtle (Sternotherus carinatus)

オス同士の闘争で負傷

 ニシキハコガメのオス同士のやりあいで負傷者が出ました。普段からけん制し合っているのですが、今回のように食いちぎられたのは初めて見ました。痛々しい。
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 今年の力関係の最上位の♂、スジオCです。これでいじけないといいのですが。

 外は雨がひどいので、念のため室内で一泊二日養生させました。餌食い問題なし。


 そしてわずか5日後。


 あれ?もう傷が治ってる。

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 修復力の強さに感心しました。




 今日は「午前8時59分60秒」の日。

耳の膿腫

 ニシキハコガメ2011CBのうちの一匹に、耳の膿腫ができて、しばらく様子見していたんですが、もう放っておけないと判断したので、5日ほど前に処置しました。この時点で顔が膨らんでかなり変形しています。
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 自然と治ることもあれば、処置しなければならなくなることもあります。アメハコを多頭飼育している人なら、毎年やっているという方もいらっしゃると聞いたことがありますが、うちの場合2年半ぶり。

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 慎重さは大切ですが、こわごわは中途半端に終わりがちです。ふさわしい道具と自分の心をよく整えた上で、短時間で、思い切って、徹底的にやることが大切だと思います。


 この個体は処置翌日から餌をバクバク食べ始めました。当初はまだ腫れが見られましたが、それも少しずつもとに戻っています。


 

呼吸器疾患

 ニシキハコガメ・スジオA。色が薄めの個体。鼻の穴が表面上つながり、縁甲板には余分な甲板もあり、決して“完品”ではありませんでした。

 これはこの日を見越して事前に撮った写真です。
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 かなり痛々しい。



 結末からいうと、死亡しました。





 今年も無事冬眠明けしました。でも梅雨の頃、呼吸器系の疾患にかかり、獣医に2度診せましたが、あまり好転せず、このまま異国のこの地で生を全うさせてあげようと世話をしていました。この地では、いつも同じ抗生物質の注射しか頼みがなく、それはそれで有効な場合が多いのですが、あまり効かない場合もあり(それは治療を遅らせた場合が多い)、別の治療法を探す必要性も感じています。とにかく呼吸器疾患は早期に受診しましょう。

 毎年冬眠明け後の春から梅雨頃にかけて、この呼吸器疾患はニシキハコに出ることが多いのですが、死に至ることは、これまでほとんどなかったように思います。しかし、今年の我が家は、この病にかかる成体が特に多く、頭痛の種になっていました。今年初めに亡くしたスジコCも症状が同じ。注射薬への耐性も出てくるのではとは獣医師の話。

 伝染性を疑いますが、病気の個体を隔離していても別の成体が罹患しますし、不思議なことに幼体や亜成体が罹患することはまったくありませんでした。ニシキハコにもともと隠れている何かがいて、体調が一時的に悪くなった時に、悪さをし始めるのかもしれません。真相は分かりません。


 この個体は何年もの間頑なに生餌しか食べなかったのが、数年前ひょんなことから配合飼料に餌付き、とても飼育し易くなっていた個体でした。我が家でちょうど9年間飼育しました。来た当初から繁殖力のある成体でしたので、少なくとも十数年、もしかしたら二十年前後生きていたかもしれません。最近は他のオスとの力関係でもやや衰えが見られ、背甲の模様も少し薄くなってきていました。






追記;

症状; 
●不活発 ⇒ やがて絶食。
●粘性のある鼻水。
●さらに進むと口の周りにもよだれのように粘液が出、結果的にそこに汚れが付いて、口の周りが黒くなる。
●くしゃみ音が聞こえることも。

よく観察していると、あれっ?いつもと少し違うな?と感じることがあります。その感覚はとても大切です。特に餌食いの時に気づきやすく思います。







Ornate Box Turtle (Terrapene ornata)